令和3年11月
入職して2年目となります。私が最もやりがいを感じるのは終末期の利用者さんやご家族と関わる事です。
特に8月に出会った利用者さんの事は忘れられません。その利用者さんは旦那さん息子さんの3人暮らしで乳がん終末期でした。状態観察、処置、清潔ケア、救急対応で介入してました。ただ、家屋の衛生環境の面から在宅介護は難しいのではと感じていました。その後、経過から入院もありましたが、ご家族の“自宅で最期まで”の思いから在宅診療と当ステーションで連携し連日訪問で体制が整えていきました。何より、息子さんは以前と見間違える程お湯やタオルの準備等慣れていき、ご家族からは少しづつ笑顔が見られるようになり以前より余裕をもって介護が出来ていると感じていきました。
ある日、呼吸停止の連絡を受け訪問すると利用者さんの近くに息子さん・近くに住む娘さん、旦那さんがおり、「がんばれ!お母さん!」と声をかけていらっしゃいました。無呼吸になるたび、呼びかけている息子さん「声をかけると息を吹き返すから、しないほうがいいですかね…十分頑張りましたよね」と涙ぐみながら私に問いかける息子さんにどう接したら良いかわからず頷いてそばにいるしかできませんでした。
その日に利用者さんは息を引き取りました。エンゼルケアをご家族に声掛けし一緒に体を拭く中で、涙ぐみながらも笑顔で生前のお話をされ、旦那さんからは「自宅にいれて良かった。」とのお声を頂き、利用者さんとしっかりお別れできたと実感しました。
難しい環境であっても、ご本人・ご家族の気持ちを優先しチームで対応してゆく事の大切さを知ることが出来ました。また、在宅での看取りの良さを実感することが出来る仕事です。