「東日本大震災から10年~寄り添う支援のために~」

Vol. 077令和3年8月

■職種:
相談支援専門員
■勤続年数:
2年

この地に移住してから、9年が経ちました。相談業務に従事させていただいて2年、お一人お一人の想いに寄り添った計画書を作りたいと思い、日々業務にあたっています。

私が担当しているAさんは、ショートステイを毎月3泊4日、気分転換を理由に利用している方でした。施設のスタッフさんから、今回もお風呂はシャワー浴でした。と報告を受ける度に、お風呂嫌いなのだろうと気にもせず、半年が経過したある日、ご本人から、『やっとやっと今回お風呂に入る事ができました!』と涙ながらに報告を受けたのです。聞けば・・・あの日、津波に流された経験から、水(湯舟)が恐怖で入れなくなってしまった・・・でも克服したくて、毎月ショートステイで練習をさせてもらっていたんです。施設だとスタッフさんがいるから、もし万が一の時も安心だと思って、と真実を話して頂けました。

震災で、色々なツライ経験をされた方と関わる中、より添えていなかった事をとても恥じました。言えない・言わない言葉の隠れた真意やバックグランド、アセスメントの重要性を強く強く感じた出来事でした。

震災から10年経った今だからこそ、見えてきた課題も多く、今も尚、ツライ経験から抜け出せない方や厳しい暮らしを強いられ、復興という言葉からは程遠い方々もまだまだいらっしゃいます。私は当時、津波を経験していません。だからこそ、この地で相談員として従事する意味を忘れず、その人の想いを知り、落とし込める計画書を作成していきたいと思っています。

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