平成27年2月
先日、8年前に自宅介護でひまわりを利用していただいていた方のお嫁さんに偶然お会いする機会があり、その時の思い出話のエピソードです。
当時、その方は弁膜症で心不全末期の状態でありベッド上安静を指示されていました。排泄もベッド上でしなければなりませんでした。しっかりされていた方でしたが、がまんできずに便失禁することがたびたびありました。そんなある日、私が、訪問して清拭や部分浴など清潔ケアを行い、とても気持ち良かったと言われて、私自身も満足して訪問を終えて退室した後のこと・・・。トランクス派のその方は、私が間違ってパンツを反対にはかせて帰ってしまったにも関わらず、便失禁に悩んでいることに配慮して、パンツを反対にはかせていってくれたと、とても感激して電話をくれたのです。自分の無意識の行動が相手の気持ちに届いた時、思いがけないプレゼントをもらったような気分になり、なんだかうれしいやら、はずかしいやらの気持ちになったことを思い出しました。その出来事をお嫁さんも覚えていてくれて「本人が何に苦しくて、つらいのか、看護師の皆さんは感覚でわかるんですよね。」と言われました。
このような、あたたかいふれあいを通じてご利用者の固有の歴史や役割といった尊厳を言葉だけではなく大切にし、ご利用者が明日への希望をしっかりと持って過ごすことのできる健育会だからこその在宅看護に誇りを持って望んでまいります。