仕事のやりがい

Vol.118
2025.03
看護師
勤続年数: 2年1ヵ月

訪問看護師としてのやりがい

私は入職2年目となり、終末期のご利用者やそのご家族と関わることに最もやりがいを感じています。中でも印象に残っているのは、乳がん末期の女性ご利用者の在宅看取りに関わった経験です。
ご家族は「最期まで自宅で過ごさせたい」という強い思いを持っておられましたが、衛生面や介護体制などの不安要素も多く、在宅での看取りは簡単ではありませんでした。私たちは在宅医と連携し、訪問回数を増やすなどして支援体制を整え、ご家族が安心して介護に取り組めるよう支援を行いました。
息子さんは最初こそ戸惑いが見られましたが、次第にケアに慣れていき、準備や介助を積極的に行うようになりました。ご家族の表情にも笑顔が増え、「以前より余裕を持って介護ができている」と感じられるようになりました。
お看取りの瞬間には、ご家族全員がそばにおられ、「がんばれ、お母さん」と声をかける姿がありました。私は涙を堪えながら寄り添うことしかできませんでしたが、その後のエンゼルケアでは、ご家族とともにお体を拭きながら生前の思い出を語り合い、「自宅で看取れて良かった」と言っていただけました。
この経験を通じて、ご本人とご家族の思いを大切にし、どんなに難しい状況でもチームで力を合わせれば支えることができるという確信を持てました。在宅での看取りの尊さと、この仕事の意義を改めて深く実感しています。